Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

枇杷と転入届と運転免許更新

枇杷こんにゃくは確かに効く。ただ、一つの難は、眠っている間に、ぬれたタオルが冷えること。タオルの温度を温かいまま保つ方法を考え出したいけれど、明日目玉の手術を控えていて、もう時間切れだ。

それで、今日の歯医者の予約を急遽キャンセルして、いつも行く近所の内科に行くことにした。

免許証更新のために、主人の住民票が必要で、住民票のためには、転入届が必要で、そのために市役所の支所に主人に同行しなければならない。それが9時。

届はものすごく、煩瑣なのだ。転出先のエルサルバドルの住所を県、市、町、通り、番地の順序で書かなければならない。実は、私は国外の地域の区分が、日本の区分表記に当てはまるかどうか知らないので、とりあえず、ラリベルタ県アンティグオクスカトラン市とか書いている。そうでもしないと文句言って受け取ってくれないからなのだけど、それがめんどくさい。ああだこうだ説明するより、自分でやっちゃった方が早いから、同行して私が書く。

申込書はうまく行ったんだけど、支所の職員は、みんな新しくて、どうも、要領を得ない。書類をやっと見つけて、「出たり入ったりしてますねえ」とか言っている。確かに出たり入ったりしている。名前の読み方にもけちをつける。余計な御世話だ、まったく。

それから別れて私は内科の医者に直行。案外すいていて、すぐ番が来た。どうしましたか、と医者が聞くから、手っ取り早く容体を言って、とりあえず飲んだ薬の名前を言い、ついでに枇杷の葉っぱの療法の話をしたら、教えてくれというので、医者に枇杷の葉っぱの療法を教えてきた。

で、肝心な薬が欲しい。医者がなにも言わないうちに、のどの痛みには、ここで戴いたことのあるミノマイシンが一番いいから、それをください、腰痛の薬が切れてしまったから、ロキソニンムコスタとください、と言って、なんだか、勝手に薬を指定して、もらってきた。何も診察したわけでなく、変な患者だネ。
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ヤフーデリバリーというものを初めて使った。

主人が寿司寿司寿司寿司言い続けていて、うるさい。彼は、すし屋に入りたいらしいけれど、私が飲食店で人付き合いしないのは、体調にろくな結果を及ぼさないからで、特に今週は、のどをやられていて、風邪の悪化が怖いからだ。

楽天でも、ヤフーでも、デリバリーとやらいうサイトを持っているので、試しに検索して見た。デリバリーという言葉が思い浮かばなかったので、「松戸で宅配可能な寿司や」と、グーグル検索したら、ぞろぞろでてきた。地域名を入れて、寿司、とうちこむとお隣の新松戸にある店が出てきた。ためしに、注文して見たら、うまくいった。

ただ、うちは、立地条件がおかしいと見えて、誰でもよく迷う。注文1時間内。12時10分という時間には届くらしい。ところが15分になっても来ない。そのくらいは許容範囲だけど、今日は、午後、免許センターに行かねばならないから、電話して見た。どうも迷っているらしい。

とうとうしびれを切らした主人が外に立って、見張っていたら、ぐるぐる回っているバイクの女の子を見つけたので、手を振ったら、やっぱりそれが寿司屋だった。彼、ほくほくしている。

この家に来る前は、子供がまあ小さかった頃、よくピザを頼んだことがあるけれど、この家に来てからは、出前を取ったことがない。「出前」という言葉だって、忘れてしまい、日本にはそういう便利なものがあったことも、忘れていた。

一人で台所に立てないほどの病気の時は、出前も便利かもしれない。来た寿司を食べながら思った。ただし、私には、それほど鮨にたいして情熱がないから、とらないだろうな。
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運転免許センターで

雨の中を二人で免許センターに急いだ。ところで、書類の不備で、今日は、失敗に終わった。出る前に、私はしつこく、住民票と、免許証と、パスポートと、はがきをそろえて持つように言ったのだけど、彼は、住民票しか持って来なかったのだ。そんなに遠いところではないから、走って往復すれば、間にあうと思って、私は体調上無理だから、彼だけ取りに引き返した。もう、今から家を出ても間に合わないという時刻、携帯に電話があった。書類がないという。

どうせ、私が探せばある。彼も娘も、同じなのだ。あらかじめそろえるべきものを1日前からそろえて、何度も点検する私と違って、ぎりぎりの時刻まで、何もせず、あわてて探してもないないという。その探し物が本人の目の前にあることを、私は知っているのだ。

もう、今から来ても時間的に無駄だから、家に帰って一緒に探すから、というのに、彼は途中までやってきて、私が預かっていた彼のかばんを探し出した。そのかばんの中は、センターで二人で探したし、雨の降る道端で、荷物広げて探し物をしていたら、私は病気になるのだ、付き合えないから、先に家に行く、と言って、雨の中で、荷物広げて騒いでいる主人を残してさっさと歩き始めた。後ろからついてきた主人が、いろいろなことを言う。どうせ、失敗は全部他人のせいだ。私は彼が書類を、自分の目の前の机の上に置いてあるのだと確信している。先に家に帰って、そら!と見せてやりたい。

後ろを振り向いたら、彼、とぼとぼついてきている。彼が、心配しているのは、どうも、免許証と一緒に入れたヴィザカードの行方らしい。それもどうせ、私が探せば、たぶん探さなくても、ある。

家に帰って、私は、まず彼がパソコンをやっている机を見た。私が渡したはがきは、そこに置いてある。私が渡した時に、すぐに住民票と一緒にしないで、そこに置いたのを知っていた。免許証のほうは、彼は自分のシャツのポケットに入れたという。それなのにないから、どこかに落としたんだと。

私は彼の身体検査をした。彼はシャツの上にチョッキを着ている。チョッキを着たままシャツのポケットに入れたつもりで、たぶんチョッキのおなかの部分に沈んでいるんだろう。もこもこ探したら、それもチョッキの下の細くなった部分に入っていた。

もう、どうでもいい。折角今日は、すべての時間を神経質に調節して、時間通りにできたと思ったのに、こういうあほなことをする。私は明日手術なんだし、その後も、数日ごとに医者通いで、眼帯つけたまま行動制限されているから、年内に、手伝いができるかどうかわからない。書類を書く前に書類を読めなきゃ、どうしようもないんだ。「帰国後1ヶ月以内に更新手続きしないと失効しちゃうよ」と言ったら、「わたし、一か月もおしっこしません」だって。

コントやってんじゃないんだから、いい加減にしてよ、もう。