Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

うらがなし

今日はゆずを風呂に浮かべる日らしい。私はもったいないから、風呂には入れない。汁はレモン代わりに、皮は千切りにして、サラダに入れたり、スープに入れたり、温野菜にまぜたりしている。嫌がるかと思ったら、主人は残さず食べている。

おまけに今日、無人野菜売り場にゆずがたくさん出ているのを見て、主人が買おうと言いだした。木が一本、丸ごと内にあるんだから、買うことないじゃないかと言ったら、ゆず湯に入るんだという。へ~~。どこでそんなこと、覚えたんだろう。さすがインディオの血が流れているだけあって、私がせっせと飲んでいるびわの葉茶だの、ゆずの皮だの、すりおろし大根だのを、好んで口に入れる。


エルサルバドルでは、アメリカ志向が支配的になっちゃって、もう誰も自然のものを食べなくなり、ハンバーグやケンタッキーフライドチキンやスナック菓子で、ぶくぶく太る人が増えているらしい。私があの国で生活していたときに学んだセビチェという食べ物も、家庭で作る人がいなくなっただけでなく、レストランで作るセビチェも変に人工的で美味しくなかった。私が作ったセビチェが好きだった娘さえ、セビチェの本場のものを楽しみにしていたのに、まずくてたまらないと言って、この前帰国した時に私の手製のものを、やっと本物が食べられると言って、食べていた。


アメリカと比べたら、文化の格差が大きすぎて、自国のものをなんでも否定したくなるのは、明治維新や、太平洋戦後の日本も経験したことだけど、娘にしても、主人にしても、日本に帰ってきて、薬用膳みたいなものをがつがつ食べるのなら、自分たちの本国で復活運動をしたらどうだろう。


なんだか、二人を見ていると、どうしようもない、うらがなしさを感じるわ・・・