Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

教会


10月29日

10月も終わりか…。実は四季の変化の淡い国で時の移りを記憶するのは、案外難しい。今市場にどんな果物がある、旬の野菜はあれとこれ、なんていうことで、わずかに時の移りを感じる。

昨日は日曜日だったので、教会に行こうと思った。実は教会まで行ったのだけど、ミサの時間がいつも動くため、ミサは終りに近くて、しかも教会は人間があふれていて、入れなかった。歩いて行ける別の教会に行ったら、そこの時間も人様から聞いた時間と違っていて、ミサにあずかれなかった。両方とも教会が人であふれているのを見て、「聞ける説教」が、この国ではまだあるんだなと思った。

日本の教会の説教は、まるで意味が通じない神父さんの、しかも長たらしい説教で、聴いているのがつらかったから、あまり行かなかった。自分の所属教会だけかと思ったら、個展に来てくれた兄も、同じことを言っていた。言いたいことが全く分からないというから、日本の教会の説教をする神父さんは、所定の儀式を所定の時間内に所定の手順にしたがって、取り行うことが目的て、別に言いたいことなんかないんでしょ、と言ったら、兄は、すごく納得していた。

長い期間内戦を体験した国の神父さんは、まだ「言いたいこと」が残っているらしいし、内戦の間に凶弾に倒れたあのロメロ大司教の記憶が、民族全体に残っているため、神父さんは「意味ある話」をしている。

小学生の孫の社会の宿題にも、ロメロ大殉教者の偉業を書くなんて言うのがあるから、爺さんの主人がものすごく一所懸命手伝って、ついでにロメロ財団に寄贈した私の絵の宣伝まで孫のノートに書き込ませていた。おっかしい^^。