Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

夢と目標


「夢と言うもの」

昨日の客の一人は「夢見男」だ。70過ぎても、夢とやらを見続けて、1億円の穴をあけ、家も売って奥さん必死で働いて、すべて奥さんの働きによって生きている今、それでもまだ、「夢のない人生なんて、生きる価値がない」とか言って、別の「夢」を求め続けている。奥さん、立派な人で、離婚の危機を乗り越えて、まだその夢見男を「保護して」いるようだ。

他人の人生に口をはさむ気はないけれど、いくら素晴らしくても、「実現しないもの」を「夢」と言う。「実現しないもの」のために、家財産を手放して、家族を路頭に迷わせる「人生」に、私の目から見れば、「意味」などない。

昨日、お土産にワインを1本持ってきた。彼、そのワインだけを飲んで、私が出した食事には、一切手を触れなかった。それでさんざん、「夢」を語り続け、その「夢」に私も加えようとしている。

彼は「正直もの」であるらしい。私もかなり、正直だけど、「正直」が災いをもたらすことを、人生で何度も経験している。私は別の正直ものに、「正直」は諸悪の根源ですぞ、と、言ったことがある。彼が、私を自分の正直さの対象にしようとしたからだ。

「夢」と「目標」は違う。ある目標を達成するために、段取りを組んで、一歩一歩実現に近づく手順を踏むなら、そのために手もかそう。そうでもない、計画性もなければ、算段もできない、そんな他人の夢につき合う気は、私にはない。

私の身内にもう一人、夢見男を知っている。彼はさんざん夢を見て、手当たりしだい、いろいろなものに手を出して、いま、東京都のさる市の生活保護下にある。

実は、私に「目標」がある。自転車で、関東地方を歩こうかと思う。バッテリーが二つ付きるところで宿をとり、ひと夏、家を空けようかと^^。ただし、「目標」が「実現しない夢」とわかったら、家を売らずに帰ってくる。ご心配なく。