Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

重い石を壇上に引っ張り上げた

地震のあと、何処のスーパーもトイレットペーパー買いだめのために並んでいたときに、MTさんに車で連れて行ってもらって、バカみたいな顔で、買ってきた緑の石、凄く重くて、とうてい崖の上まで運べないと思っていた。それを毎日毎日眺めていた。

20キロの鶏の餌袋を持ちあげられなくなったこの細腕で、到底その石は持ち上げられないのを知っていた。MTさんも、手伝ってあげるから、一人で持っちゃだめよ、と、心配していてくれた。リフォーム屋のMさんは肩の筋を切って、手術中。たとえ手術が成功しても、もう、頼めない。何とかして持ち上げるには、腕の力ではだめだ、と思った。

梃子の原理で、道具があれば、なんとかできる。しかし、崖の階段は人が一人何とか通れるだけの幅で、6段程度。1段の高さは20センチくらいかな。毎日毎日、その段々を眺めた。梃子を作るにも、支柱を置く場所が安定していない。原理はわかっても、手の打ちようがなかった。

ところが今日、ふと睨めいた。そうだ、袋に入れて、少しずつ引っ張り上げてみよう。土嚢用の袋が一つ残っていたので、それを使うことにした。石を置いた場所で、袋に入れるのも、かなり苦労したが、なんとか袋に入れられたので、それを引っ張り上げてみた。1段成功。

だったら2段目も、時間をおいて、また引っ張り上げた。3段目まで成功。

また時間をおいて、ひっぱりあげた。とうとう、階段の上まで。階段の上が、私が作った崖の1段目。そこまで引っ張り上げれば、しばらくそこに放置して、配置を考えてから、動かそう。

なんだかとてもうれしかった。この段々の庭作り、楽しい。