あずまや
玄関のベルが鳴るので出てみたら、Mさんが来た。別の仕事場で、余った板が出たので、使えると思って持ってきた、という。
一番上の面倒なばあさんのうちとの境界線の始末は、もう終わっていて、清算も済ませた。あとは、私が仕上げを体裁よくやらなければならないのだけど、彼、上に登って行って、なんだか、点検している。なんだろうとおもったら、私が段々を作った地面を指差して、ここいらに、面白いものができるよ、という。段を2段同じ高さにして、平らな土地を作ったら、遊べる空間と、もっと金かければあずまやができると言う。
いいなあ。そりゃ、理想だけど、やねつきのあずまやとまで行くと、金かかりそうだ。1円も稼いでないので、無理だけど、案だけ見せて、と言ったら、彼、すでに設計図まで書いてきた。
ぎょえ!
もう、設計図までできているのか。よくみたら、その図面に、「江洲ヶ原邸憩い台」とか、書いてある。この人、私の家の崖崩れ、楽しんでいる!こちらがなにも頼んでないのに…
この憩い台、あずまやにしたら、どうなる?と聞いたら、そりゃいいけど、6角形の屋根つけるなら、金がかかるよ、という。そりゃそうだろう。あの鶏小屋の素材じゃだめか、と鶏小屋指さしたら、折角面白いことやるのに、あんなのみっともないじゃないかという。
むむ。むむむ。六角形の屋根のついたあずまや…
じゃあ、絵を描いて売るべか・・・。約束は、しなかった。