Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

「ばあさんの自転車奮闘記」11月12日

「骨粗鬆症と自転車」7

「隼号を手放す」

私は隼号の扱いにてこずっていた。何しろ飼い主の言うことを聞いてくれないどころか、飼い主の私を馬鹿にして、急突進したり、頑として動かなかったり、バンと倒れて、私をすっ飛ばし、横目で私を見ている。少し憎たらしかった。

 

ある時、私は隼号を操って、実はとうとう豊四季教会まで行ったんだけど、いつもの白鷺でなく新しい自転車を見たある人が、「それ免許が必要ですよね」という。

 

免許?けげんな顔で、私は相手を見た。其時はそれで終わったのだけど、家に帰ってから、にわかに私は心配になった。はて?隼には免許が必要だったんだろうか。。。

 

隼はバイクではないから、バイクの免許が必要とは考えられなかった。それで、隼の状況を知っている鶏男に聞いてみた。そうしたら、例のごとく彼はネット検索で、意味の分からないことを発見した。「あの手のえせバイク」はなんだか、「一般道」では走れないとか。サイクリングロードなら走れるが、一般道は禁止で、走りたければサイクリングロードまで引きずって行って、走ることになっているんだとか。免許が必要という意味でなく、サイクリングロード用なんだってさ。だったら、どうすればいいのよ。自宅から最寄りのサイクリングロードまで、TX線2駅の距離ですよ。

 

それで私は隼でてこずっていたので、もういいやとあきらめて、鶏男に、隼を譲った。鶏氏は「俺だったら、知らん顔して乗ってるがな」と言いながら、それでも引き取ってくれた。

で、次に私が買ったのが、やっぱり小さいけれど、白鷺に毛が生えたくらいの大きさの折り畳み式の自転車。緑だから「青鷺号」と名付けた。電動ではないけれど、世話になった白鷺よりはしっかりしていた。

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青鷺号到着↑

 

まだサイクリングロードというものがどういう代物か私は知らない。訳が分からないことに挑戦する前に、私は青鷺がどの辺まで距離を延ばせるのか、試してみる気になった。

毎日毎日4時に起きた。毎日毎日距離を伸ばして時間を図るために、時間や距離の標識のある6号線まで出てみた。北小金の陸橋から直進すれば6号線に出られる。毎日毎日「この辺で引き返そう」とその時気まぐれに思った時点で、引き返した。

ある時「安孫子」という文字を見た。ああ、ここが安孫子か。安孫子なら、手賀沼があるな、そこに行こう。安孫子駅から手賀沼までは近い。観光地みたいなところに自転車で来れるんだ、そうおもってうれしくなって、どんどんどんどん走っているうちに、ある朝、手賀沼についた。

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ところ「手賀沼」って、なんだか日本中で一番汚染された沼なんだそうだ。沼について、ぐるぐる回りながら、ちょっと降りて沼を覗いたら、魚が数匹死んで浮いているのが見えた。ひゃあ、自然の環境で魚が死ぬほど、汚染されているんだ。たまげた。

よく周りを見たら、たぶん工場だかの水だろう、灰色の水が沼に流れ込んでいるのが見えた。我孫子市が手賀沼汚染対策しているそうだけど、今はどうなっているだろう。「自然」のはずの沼に住む魚が、白い腹を見せて浮いているのを見てしまったから、ちょっとぎょっとしたなあ。

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これも6号線で発見。以後自転車で一人で食べに来た。