Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

頼まれて木を切った

うちの脇の道路を挟んだお隣さんのAさんが、自分の庭の木を切り倒したいので、電ノコ、貸してほしいと言ってきた。使ったことあるのかと聞いたら、普通ののこぎりも、ハサミも使ったことないという。何も知らないで、私が使っているからできるだろうと考えているらしい。若い人は、鉛筆も削れないくせに、電ノコなんか突然扱えると思うらしい。

危険だから、木の伐採、私が引き受けた。

木の持ち主と、そのお隣さんである車の持ち主のTさんが出て来て、一緒に片づけるらしい。電ノコを使おうと思ったAさんは、いきなり下の太い幹を切ってくれという。冗談じゃない。そんなことをしたら、枝の張った木がもろとも 3人の頭の上に落ちて来て、3人とも息絶えるぞ。と言って、脅かしてやった。

それで、おもむろに、初めは高枝切りで間にあう、細い枝を切り始めた。そこにTさんの家から病気らしいよぼよぼのおばあさんが出てきた。なんだか家庭に問題を抱えたお姉さんを昨日引き取ったという。で、そのお姉さん、手伝いたいというのだけど、足元も、腰つきも危なっかしくて、みていられない。枝をまとめてひもで結ぶことさえ、怪しい手つきでなかなかできないのをみて、こりゃ、怪我するぞと思った。それを見て妹のTさんが、まとめた枝を私の家まで運ぶのだけでいいから、あとは任せてくれと言っている。

高枝切りで間に合う枝を払ったので、電ノコを取りに家に帰って、戻ったところ、Tさんのお姉さんがいない。どうしたのかと思ったら、枝を運ぶ時に転んで頭うったので、危ないから引っ込んでもらったのだという。あらまあ・・・。見るからに、荒仕事などできない状態だったけれど、あとで聞いたら、彼女、私と同じ年齢だって^^。

電ノコ扱いは、別にプロではないから私だって、緊張する。梯子がないかと聞いたら、3段の脚立を持ちだしたので、それに乗ったって木の枝に届かないし、不安定なところで作業はできないといって、私がまたうちに戻ってでかい梯子を持ってきた。何も持っていなくて、よく電ノコで木を切ろうと考えたね。まあ、下の幹からいきなり切れると思っていたんだろうけれど、冗談がきついよ。

梯子をかけ、上って、縄で木に固定し、足場がしっかりしたのを確認して、上ったら、二人で、上を向いて口を開けて待っている。

あのねえ、牡丹餅落とすんじゃないから、そこにいないでね。これだけ太い枝は重いから頭に落ちてきたら、二人ともおだぶつよ。見物人を追い払って主要な枝を落とし、あとは、危ないから、ベランダから切りたいから登っていいかとAさんにいったら、中に案内してくれた。

ネコやイヌがごろごろいるうちで、足元に動きまわるので邪魔だから、それも追い出してもらった。

上から最後の枝を数本切って、下に降りたら、彼女の庭は切った木だらけ。それをまた、何もしないで、ず―ずー引っ張って、外に出そうとする。

あのねー。物事には手順があるの。下にある大きい枝が邪魔だと言って、先に出そうとしても、放射状に張った小枝の処理をしないとだせないでしょ。小枝を切って、棒だけにすれば、太くたって簡単に出るから、はさみかして。

ところで、ハサミもなかった。

で、やっちゃいらんないので、疲れたから、ちょっと休ませてと言って、電動工具だけ片づけて家に入った。

考えてみれば、初めから私に全部させようという作戦だったな、と、やっと気がついた次第。^^