Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

手術延期

予約というのは、やっかいだ。今日という日がやってくると、雨が降ろうが、やりが降ろうが、変更ができない。その予約の日の今日、雨が降った。自転車なんかで行けるような雨ではない。しかたがないから、バスと電車と徒歩で、眼科まで行った。
 
自転車で行ける範囲しか行動しないようになってから、バスも電車も、待ち時間も、つらくなった。ひどく冷たく感じる雨の中を、待ちに待って、遅れてきたバスに乗り、駅に着いたら、ホームはものすごく混雑していた。この日に限って、事故まであって、電車が30分遅れていた。日本で、電車が30分遅れるということは、我慢のできない大事件で、5分の遅れを取り戻すために、暴走して、500人の命を載せたまま、あの世に行ってしまう運転手もいるほどだ。
 
並んでいる人が少ないところを選んで、ホームの先端近くまで行って待っていた。放送で、なんだか事故のため遅れているということが分かって、いつもなら、大した時間もかからない1駅向こうの眼科だったが、1時間に1台しか出ない田舎のバスの時刻表に合わせたので、予約の時間まで幸い十分あった。
 
バスの時刻のせいで、1時間も待つような時間に来るようになっていたので、実は、スケッチブックを用意していた。その眼科、待合室に、裸婦の女性の彫刻が置いてある。大したものでもないが、デッサンの練習には、なかなかいい。
 
予約表を出して、待っている間、久しぶりにその彫刻のデッサンをし始めた。もう、長いこと、デッサンなど、していない。今日は、雨のせいか、あまり人が来ていないので、都合がよかった。ここの眼科は緑内障白内障の手術で有名なところで、どうせこの眼科に来る人は、爺婆だ。隣で何をやったところで、ボーっと前を見て、他人のすることに気にかけたりしない。
 
しばらく鉛筆を動かしていたら、順番が来たらしく、呼ばれた。今日のいろいろな検査。しかも、6000円も支払った。6000円は痛い。なにしろ、現金収入がなにもない。年金1ヶ月分の6分の1だ。しぶしぶ支払って、電車に乗ったついでに、松戸まで行って、床屋に寄ってきた。雨のせいで床屋もすいていた。でも、6000円に驚いて、ついでに寄りたかった鮨屋は中止。
 
昼食我慢して、かなりくたびれて帰ってきたのが2時。鶏に餌をやって、そのあと、なんでもいいからあるものを食べた。なんて、寒いのだろう。明日晴れたら、山に杭を打とう。
 
そうそう。手術を12月に延期した。いろいろ脅かされて、一人で手術するの、なんとなく不安だった。炊事もしてはいけないというし、風呂も入ってはいけないし、2日間は顔も洗ってはいけないらしい。夏なら何とかなるけれど、冬は、私は弱いからねえ。
 
12月には主人が帰るという。そんなら、帰るまで待つか。交渉したら、交渉成立。だったら、10月は神経をたてることないのだ。山でじっくり荒仕事といこう。