Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

元気なじじばばはともかく

私がばあさんになって生活が瓦解し、呆然として空を眺めていたころ、Mさんが言った。

人間生きていればいつ芽が出るかわからないんだ。金さん銀さんだって、ただのばあさんだったのに、100歳になったという事実だけで、脚光を浴び始めたんだ。それも、何かすごいことをしたというニュースじゃなくて、双子が一緒に100歳になっただけだぞ。

なんだか知らないけれど、そういう励まし方もあるんだなあと思って、おかしかったから、げらげら笑ったな。

娘にいたると、90歳でエヴェレスト登頂した爺さんがいるんだから、お母さんなんかこれからだとか言って、どうしようもない、作りのおんぼろな中国製の自転車、買ってきた。しかもフリルでひらひらしたブラウスなんか着ているねーちゃんが乗りそうな、ショッキングピンクの異常なやつ。カメラ故障で、撮れないけれど。

私は私の体を知っているんで、他の元気な100歳の婆さんや90歳の爺さんと比べなくたっていい。年とって駄目になったと言っているんではなくて、骨がもろくなっているし、胃腸が細菌に占領されているから、できることとできないことを知っているって言っているんだ。

励ましはいいけれど、現実的な対応をしてほしいもんだわ。ばっかみたい。