Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

警備会社出動

昨日の昼下がり、また南瓜をパネラとカネラで煮て食べようと思った。あれはエルサルバドルの味で、日曜日に、ロメロミサに出てから、なんだか、エルサルバドルの味が懐かしくなったのだ。ところが、それを火にかけたまま、ちょっと庭に出たら、いろいろなことが気になって、庭の手入れを始めた。庭の仕事に手をつけると、まるでこの世のことを忘れてしまうので、当然鍋のことなんか意識の外に置いていた。

ところで、何の気なしに玄関の戸を開けたら、ぴこぴこぴこぴこと、ものすごい音がする。一瞬何のことかわからなかった。私は去年から、自分の海馬の故障を感じて、全日警のホームセキュリティーをつけたのだけど、ほとんど外出の時の警備のためしか使わなかった。例外としては3月に救急車を呼んだだけ、侵入の時に警報が鳴るのは、いつも出入りしているからわかるけれど、他のことで警報が鳴るのを予期していなかった。だから、そのぴこぴこという音は初めて聞いたので、少しパニックになった。

なんだなんだなんだと思って、2階に上がったら、物凄い煙。甘く苦い焦げの匂い。その時初めて、鍋にかぼちゃをかけていたのを思い出した。その激しいピコピコは火災警報だった。とっさに鍋の火を消し、窓を開けて煙を流したが、警報解除の方法がわからない。

とうとう警備会社が出動してきた。

実は、このセキュリティー機能をつける前、私はよく火をつけっぱなしにして数時間外に出て、かけていたやかんが真っ赤になるほど恐ろしい目にあって、危ういところで消し止めたという経験が2度ほどあった。こりゃ、だめだ!とその時思った。もう、自分の海馬に頼れない。

以後私は、なるべく調理には電子レンジを使い、石油ストーブをやめてエアコンだけにし、祭壇のろうそくもつけないようになった。それほど怖い経験をしていたところ、警備会社の勧誘があって、乗ったのだ。

やってきた警備会社の人に、事情を話し、無事なんとか止めたけれど、解除の方法がわからなかったと説明した。

あれから、窓をすべて開け、換気扇も回し、におい消しに努めたけれど、朝起きたら、まだ匂いが残っている。住んでいる自分がこれでは、他人が来たら、ひどく感じるだろうなあ。困っている。