Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

携帯で写真をとる

世は連休らしい。今日はその連休の中の貴重な平日。4時に起きて、外に飛び出した。何処でもいいから駆け回ってこよう。

そう思って、走りだしたら、ちょっと前に桜を見に行った清瀧院の方角に足が向いた。葉桜を見て来よう、と思った。なにしろ、「寺の庭」が好きなんだ。人寄せパンダみたいな見え透いたきらきらした物事をそろえている、観光客をよだれたらしてまっている観光地は、そういう人が行けばいい。私は誰も来ない早朝、誰にも媚を売らずに歴史を見てきた古木が好きだ。

で、その清瀧院についてから思い出したのだけど、カメラ、忘れた。天にそびえる銀杏の立派な木を写真に撮りたかった。で、ふと、携帯を持っていることに気がついた。実は携帯の扱いは、電話機能しか知らない。娘が写真をとっていたのを知っていて、それをパソコンから転送するのに苦労した。自分で写真を撮ったことがない。

でも、いいや、この際、研究しようと思って、携帯を出した。ぶちぶちいじっていたら、写真の画面が出て来て、うまくシャッターを押したのだけど、どういうわけか、途中から、画面が半分見えなくなった。なんでだろう、なんでだろう、こわれちゃったんだろうか、そう思って、どうせ初めっからできないものを扱ったんだからと、あきらめて、写真をとるのをやめて、また、ゆっくり景色を楽しみながら、走った。

清涼院は、毎年、6月の紫陽花のころ見に行く、紫陽花通りに近い。今頃紫陽花は、緑の花が開き始めているかもしれないと思って、寄ってみた。うちの挿し木が、もう花の蕾をつけているのを知っていたから。

でも、まだ花の芽も見えず、通りは一面、若葉だった。それも一興。ゆっくり眺めて、帰路についた。やがて昔の散歩道に出たが、今日は自転車散歩再開の初日だから、明日、もっと遠出することにして、家に戻った。

朝の自転車なすがすがしい。なんだか、崖の修理もする気になって、杭を止めるための横木の柵を作ることにした。枝は、近所の文化人おばさんが、2束持ってきてくれたのが、ある。それを眺めて、どのように作るかをだいたい決めて、テレビ体操をし、朝食をとって、さて、始めようと思って時間を見たら、もうすぐ郵便局が開く時間。

実は郵便局に用事があった。ケンコーコムである商品を注文したのだけれど、それがあらかじめ電話で確認をして置いた通りの物ではないので、返却をしなければならない。今日でないと、また休みが続いて、面倒なことになる。それで、先に郵便局に行った。

用事を済ませ、帰るつもりだったのだけど、鶏の野菜がないのを思い出して、イオンに寄ろうと思った。明日の方が火曜日で特売デーだから、今日たくさん買う気はない。なにしろ鶏用だけでなく自分の野菜がなくなってしまって、困っていたのだ。

イオンでは、明日の朝の分の胡瓜1本と、トマト一個だけ買って、キャベツの皮を大量に仕入れ、思い出したいろいろな用事を済ませて帰ってきた。

それから軽い植物の植え替えを済ませ、朝、計画した横木の組み立てを始めた。一段落するというより、細かい仕事にくたびれたので、ふと、携帯のことを思い出して、研究するために、庭の仕事を切り上げた。

携帯は、何度移そうとしても、まるで写体が見えず、いよいよ壊れたんだなあ、と思った。で、機械をしげしげと眺めた。眺めたって、どうなることでもない。なにしろ私には電話機能しか扱えないんだから。

カメラというところにセットして、何もとろうという気もなく、右に左に、縦に横に眺めてみた。画面が薄茶色っぽく覆われている。ところで、動かしていると、時には、半分、ときには全体が見える時もあることに気がついた。え?これ何が邪魔しているんだろう。

ところで突然、わかった。

私は携帯のカメラのレンズがどこにあるかを知らず、レンズに当たるところを自分の指で隠していたのだ。

知っている人から見たら、バカだと思うだろうけれど、私はなんだか満足した。うっかり店に持って行かず、若い店員にバカにされることなく、自分で、何かを解決したのだ。

母だって、FAXというものがわからず、機械に紙を設定したら、紙がひらひら一瞬のうちに飛んでいって、アメリカまで到着するものだと思っていたのだ。

知らないことが一つ分かった。これで一つ、進歩だぞ^^。バカにするなよ、そこの若いの。