Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

煩い勧誘電話

まだ、寝ていよう、と思った。腰痛が激しいし、足がやたらに冷える。元気なら、布団にもぐろうという気持ちが湧かない。布団にもぐろうというのは、まだ起きるな、というサインだ。で、そのサインに従った。

昨夜の湯たんぽが、まだぬくい。足はすぐに温まり、すぐに眠ってしまった。

しばらくしたら電話で起こされた。ネットで誰とでも連絡ができるようになって以来、うちに来る電話は、ろくな目的ではないけれど、放置するわけにもいかず受話器を取ったら、案の定、やぶ用電話だった。また、金融関係の会社からのでんわ。だいたい、この手の会社と私は付き合いがないから、うちの電話を知っているというのからしておかしい。さっさと切った。

それから数分後、また電話がなった。うるさいな!と思った。

しかし、今度のは別の会社からの電話。いきなり、奥様を出してください!という。自分の名前もなのらない。だから、どなたですか?と聞いたら、奥さまじゃないとわかりません、という。

私の声は男性の声と間違えられる。何度かそういう経験をしているので、自分はその奥さんだ、と言ったところ、急に怖色が変わって、「しわやくすみでお悩みでしょうから、お手入れの新商品をお勧めしたい」と、また断定的な言葉。

しわもくすみも、まったく悩んでいませんと言ったら、いえ、そのうち悩みます!という。お肌は年齢がかさむと誰でもしわが出る物です!

余計なお世話なのよ、まったく。69歳になって、20歳のころと同じだったら、化け物じゃないの。しわだらけでもカサカサでも、老人になればだれでもなる状況を、悩んでいないと言っているんだ。病気で、痛むとか、目鼻がへこんで顔中穴だらけになったとかいうなら、悩むだろうけれど、年齢相応の顔になったことで、生まれたときの状態に戻りたいなんて、思わないよ。

うるさいから、それも切った。

こっちは、病気なんだ。静かに寝かせてくれないかな。世の中、「老人になる」ということが「恥ずかしいこと」だというあほらしい、えげつない価値観で動いているのを知っているが、見たこともない他人が老人になったことなんか心配してないで、いつまでも大人になれないで、母ちゃんの年金で暮らしている若い連中の心配でもする方が、世の中のためになるよ。

仕方がない。起こされたから、起きて昼食を食べた。