Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

土木工事が絵描きの仕事に

この前、崖の上から土どっと水が噴き出してきたので、階段状に足場を作って、境界線の穴ふさぎだけは業者に頼むことになった。いくらなんでもあの穴ふさぎは私にはできない。業者といっても、この家に引っ越してきてから、ずっと付き合いの続いているMさんだけど、なんだか、いやいやながら、引き受けてくれることになって、昨日、板を4枚、買ってきた。私がカネがないのを知って、彼、大工を頼まないで自分一人でやるから、一緒にやろうという。買ってきた板にクレオソートをぬっておいてくれというので、昨夜のうちに塗っておいた。

ところでその作業をしながら、ふと考えたのだけど、クレオソートを塗った板を境界線にだだーっと並べるだけでは味気ないので、板の上に絵でも描こうと思いついた。横長に20メートルばかり並べるので、ところどころ木の裏になって、所々ちらちら見えるから、アルマジロでも行列させてやろうと考えた。

で、その構想をMさんに電話で知らせたら、彼、夕方来ると言っていたのに、朝、やってきて、どうせ絵を描くのなら、昨日持ってきた板じゃ、小さすぎてつまらない、畳2畳ぐらいの絵にするほうが目立って面白い、というのだ。

なんで、私の気まぐれに、そんなに勢い込んで乗ってきちゃうのよ・・・

いや、細長ーいところをアルマジロがうろうろしているという構想ができているんだから、あれでいいのだ、といったのだけど、それじゃ目立たない、せっかく描くんだからと、やたらに乗り気になって、畳2畳敷きの絵の構想を勝手に考え始めた。

畳2畳もあるんじゃ、アルマジロじゃ、つまらない。コンゴウインコだの、ケッツアルだの中米の鳥たちを飛ばさなきゃ、面白くない。

てなことになっちゃって、土木工事が絵描きの仕事になってしまった。

しかし、世の中にはこんな変人につきあう人もいるんだね。出身家族には、まるでいないほうがいいみたいに思われている人間だけど、やっぱり、もう少し、生きてみよう。面白いことがありそうだ。きゃはは^^。