Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

野田市に行く

また、徘徊を再開。同じところだけど、今日は少し、距離を伸ばした。
 
朝は4時半くらいに起床。もう、4時半だと、暗い。手探りで、鶏に餌を入れてやり、用意した弁当を持って、4時50分出発。こんなに暗きゃ、電燈がない白鷺ではだめだ。いつもの通り、爺婆用の乳母車で出発。
 
でも私は、この乳母車での早朝の徘徊がすごく気に行ってしまった。しかしまあ、エルサルバドルだと、年齢がどうあろうと、他人がなにをしていたって、うるさいことを言わないけれど、自分だけが世界の標準だと思っている日本て、うるさい。なにが乳母車だ、あほんだら!
 
利根運河までは、まったくおなじ道。そこから、この前であったおばさんが口にした「清水公園」というのが気になって、その先を行ってみることにした。すれ違う人と目が合うとあいさつし、時々、水飲み休憩をするだけで、あとは、単調な一本道が続く。単調だから、少し電源切って、燃料の節約をしようと思った。自転車は少し重く感じるだけで、案外、スムーズに進んだ。
 
しばらく行くと、右手に、灰色のタンクがいくつも建っている怪しい場所に来た。ちょうど通りがかった人に、ここはなんの施設ですか?と聞いたら、キッコーマンの醤油工場だという。
 
ほう!じゃあ、ここは、野田なんだ。確か娘が小学生のころ、学校から見学に来たはずだ。外側から眺めたって、何も珍しいことが起きないけれど、少し懐かしがって、眺めた。それからまたしばらく行った時、なんだか、すごく空腹を感じたので、場所を探したが、ちょっと駐輪するスペースもない。しかたないから、どんどん走ったら、少し道幅の広いところに出た。
 
そこで通行人の邪魔にならないように、自転車をとめて、用意してきたいなりずしと、胡瓜とブロッコリとアスパラガスを食べた。立ったままだけど、誰もいない青空天井の下で朝食というのは、楽しい。ただ、氷室に入れておいたタオルは、固まっちゃって、広げることができないので、固まったまま顔を拭いた。
 
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それからまた走りだしたのだが、ここで不測の事態が起きた。朝食なんかしたから、トイレに行きたくなったのだ。
 
見渡す限り、自転車道。まっすぐまっすぐ、自転車道。右側には、時には街並みが見えるが、簡単に下りられない。自分は今どこにいるのか、それを確認しようと思って、荷物を開けて、驚いた。昨夜、地図を眺めて研究していて、地図を入れるの忘れていた。ぎょぎょ!!
 
きょろきょろしながら抜け道を探した。昔一人で登山した時は、道は舗装されていたわけでなく、草はボウボウ、生えていて、木々は鬱蒼としていた。どこでもトイレに早変わり。
 
や~~りの頂上で小雉を撃てば、高瀬あずさと泣きわかれ、とかいう歌まで思い出した。や~りは婿殿、穂高はよ~めご、中でりんきの焼が岳~~♪
 
変な歌を歌っていたら、向こうから、自転車を引きずって男性が歩いて来た。近ずいて下りられる道を聞いた。なんかすごい方面を指差すから、理由を説明した。
 
実はトイレを探しているんです。コンビニとか、ガソリンスタンドとか、公園とか、公衆トイレのある場所を探しているんです。
 
事態を把握した男性は、初め出口の遠いジョモを教えてくれたが、後戻りすればもっと近くにセブンイレブンがあるから、そっちはどうだ、と行き方を教えてくれた。
 
首尾よく目的を果たしたが、実は、町中に降りると、まったく方向音痴になり、迷いに迷った。ところが矢印があって、その矢印の先に「清水公園」と書いてあったのを見たので、うっかり、じゃあ行ってみようということになった。
方向指示があるんだから、自転車道じゃない。車にぎょぎょっとしながら、ひたすら「清水公園」に向かった。
 
ところが、その清水公園、総合公園であって、何も珍しい公園ではなかった。高校生の集団が野球の朝連をしていたりするだけで、面白いことは何もなかった。
 
なんなんだろう、ここ・・・。少し落胆して引き返しながらふと、思い出した。
 
いつか、まだ主人がいたとき、東葛地域一帯の中南米人が集まって、バーベキューやったことがあるけれど、たぶん、ここだった。木がボウボウ生えているけれど、面白いことは何もなくて、なんだか、汚い公園だった。そうだ、そうだ、あれだった。
 
なんだか、野田市というところがピンとこなかったけれど、案外知っている場所かもしれない。たぶん、自転車なんか乗れなかったこと、柏駅から出る東武野田線とかいう電車で、何回か、この地域にきているのだ。すんごくだっさい街だという印象が残っていて、あまり、いい思いではなかった。
 
そう言えば、東武動物公園というのも、この先にあるはずだ。娘の小学時代の友人が引っ越して住んでいるはずの杉戸という町が、この先にあるはずだから、日光に行く時、寄っていこうと思っていた。
 
とか何とか云いながら、私は、まったく自分のいる場所がわからなくなっていたのだ。