Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

江戸川沿いを走る(1)

とうとう9月になっちゃった。俳句の季語が通じない暑さが続いていて、学校も仕事も無関係な暮らしの私には、9月という感じが伝わらない。
 
でも、今日、江戸川沿いを走ってきた。起きたのは5時だったけれど、8時までは帰ろうと思って、大した装備もせずに出た。昨日偵察しておいたから、迷わずサイクリングロードに出た。
 
川沿いだから、当然、水と緑が延々と続く。5時台になると、家の近くの散歩道もそうだったが、かなり犬連れの人が出ていて、なかなかのどかだった。レーサーみたいなのがときどきビューーンとすれ違うが、あれって、本当に「自転車」かな。すごい速さ。
 
幸い、この前自転車を修理に出した時に、バックミラーをつけてもらったので、怖いものはさっさとよける。別にこちらは訓練しているわけでも競争しているわけでもないから、時々のんきに写真をとる。川辺には、かもも来ればカラスも来る。白鷺が目の前を飛んでいく。いいところを見つけたなあと、なんだか、うれしくて心が弾む。
 
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人付き合いの悪い偏屈者には、偏屈向きな人生の楽しみ方があるものだ。徒歩の散歩のおばさんは、目が合うと、朝の挨拶をする。レーサーの兄ちゃんは、後ろから、右を通るぞーーーっと、吠えるように怒鳴って、過ぎていく。そういう「人間の声」も楽しい。
 
1時間も走ったころ、いつもの右足が痛んできた。休む場所なんかどこにもなくて、自転車を止めて、水を飲んだら、また動きだした。だんだんだんだん、散歩の人も少なくなってきた。たぶん、朝食の時間なんだろう。すれ違う人がめっきり少なrくなると、少し不安になる。
 
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なにしろサイクリングロードって、自動車道と違って、延々と45キロ、標識が全くないのだ。一体自分がどこあたりにいるのかもわからない。目印がなにもないから、地図を見たってしようがない。
 
胡瓜を食べたいな、と思った。今日のビニール袋には、胡瓜と庭でとれたミョウガを、刻まないで塩降りかけて持ってきている。自転車の揺れで、ちょうどよい浅漬けになったころだ。どこか、いいところはないかと、探したんだけど、どうも、ただの道、道、道。下に道路があるとはいえ、一度サイクリングロードに登っちゃったら、易々と下に降りられない。困ったぞ、と思った。
 
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やがて前方に、江戸川を横切る長い赤い橋が見えてきた。高速道路らしく、車の往来が激しい。あの道路に名前があるはずだと思った時、左端で一休みしているおじさんがいた。短パンでヘルメットをつけているし、置いてある自転車は、立派なマウンテンバイク。でも、かなり年配らしかった。道の事情を知っているかなと思って、声をかけた。
 
彼によると、その赤い橋は常磐道だった。松戸市から来たのだけど、ここは、もう、野田市かどうか聞いてみた。しかし、まだ流山市で、野田市は、その常磐道をくぐって、もっと先だとのこと。
 
別に野田市に用事があるわけじゃないけれど、どこまで走ったかぐらいは、知っておきたかった。おじさんをあとにして、また走った。もう、人っ子ひとりいない。まあ、いいや。
 
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