Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

今の状況

長いこと、骨粗鬆症のために摂取していたサプリメント類を摂取するのを忘れていた。それほど私の日常性が休止してしまったのだ。

思いもかけず、50年前に机を並べていた同級生や、ネッ友達の助けで、忘れていた「我」を取り戻したらしい。

ガレージセールと同時開催個展のチラシを作って、投函を申し出てくれた近所の人に見せたら、手書きにして、簡単な地図をかいた方がいいという。それで地図を作るために、自転車で、近所を回っていたら、無人野菜販売所の主が通りかかった。よく鶏用のくず米や藁などをくれた人だ。何をうろうろしているかと聞くから、いろいろあって、ガレージセールをやるから、地図を作ろうと思って、位置関係を確認しているのだと言った。そうしたら、彼、待っていろ、地図ならやるよと言う。

彼、もとは消防署員だった。今は引退して農業をやっているけれど、この辺りの地勢には詳しいらしい。案外詳しい地図だったけれど、どうも道路工事用の地図らしくて、いろいろ余計なことが描いてあるし、かなり個人情報侵害になりそうだ。

うちに帰って、それを参考に地図を新たに作った。

ところで、国外にいて、地図の見方や、書き方を知っている人物にあったことがない。子供の時から家から学校までの地図をかかされて育ち、学生時代は地図を頼りに登山経験がある私は、歩いて10分以内の地図をかくことができない人々にかなりたまげた。識字率がどうのじゃなくて、インテリだって、学者だってできない。歩幅による測量なんて、考えもしない。街の地図なんてどこにも売っていない。

考えれば考えるほど、日本の初等教育は素晴らしかった、と外国に行くたび感嘆した。

できた地図をスキャンしようと思って、困った。スキャンの仕方を忘れてしまったのだ。いろいろなところを探しまわって、あっちをクリックしたりこっちを探したり、かなりむかっ腹を立てていて、ふと思い出した。機械を替えて以来、スキャンをしたことがなかったのだ。

それで、機会を眺めて、スキャンと言うボタンを手動で押して、眺めていたら、動き出したので、待っていたら、できた。昔の機械は、すべてパソコンの中でやっていたから、手動で機械を動かすことなど考えてもいなかった。

とりあえず、明日教会に持って行く30枚を作った。まあ、だめもとだから、とあまり期待していない。でも・・・今回私の身に降りかかった災難に対する友人たちの行動は、「在りえない」ことだった。それがあったのだ。近所の人の助けだって想定外だった。

凄いなあ、と今日水道の修理できたMさんが言う。詐欺のことはともかく、いざという時に助けてくれる人がそんなにいるなんて、なんでもいいから感動してしまった、と。自分にもしものことがあった時、助けてくれる人なんか一人も思いつかない、と。

絵も2枚売れた後、2枚の予約があった。個展には、17枚の作品が用意できる。文字通り死に物狂いだけど、まだまだ後から後から、新しいことを思いつく。人間て、案外生きられるものだなあ。