Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

おばあちゃんの花畑

ゴミ当番最後の日。朝から雨。辛かったけど、5時半に外に出て、回収した違反ごみを運んだ。網目の細かいネットをかけて、雨の中を急いで戻って、9時半。そろそろ持って行ったかなと思って、見に行ったら、まだ持っていっていなかった。雨の中を何度も、ネットの回収に来るのがつらい。家から集積所が見えないから、一々降りてみなければならないから。

11時くらいになって、もういいかなと思って、見に行ったら、すでに誰かがかたずけておいてくれた。誰も私が病気だということ知らないのに。

帰りに遠回りして、おばあちゃんの花畑を見に行ったら、私が植えた球根のうち、或る物は芽が出ていて、うれしかった。でも、点検したら、猫のせいだろう、チューリップの球根が2つ掘り起こされて転がっていた。

それを植え直すために移植シャベルを取りに行き、戻って掘っていたら、おばあちゃんが出てきた。杖をついて、病院に行くところだという。

いつもいつもごめんなさい、とやたらに謝る。

好きでやっていることだし、ここがゴミだめじゃなくて花畑なら、誰だって喜ぶんだから、悪がらなくていいと言っても、聞かない。仕方がない、奥の手を見せた。

実は外国に行っている主人が、連絡してくるたびに、おばあちゃんのこと聞くんですよ、元気かって。主人はね、11年前にここに引っ越してきた時に、始めて朝の挨拶をしてくれたおばあちゃんのことがうれしかったって、11年間忘れないんです。私だって忘れていたのに、つい最近も、電話でそのこと言ってましたよ。だから、私も、こうやって、花なんか植えているのは、お礼なんですよ。
ちょっと大げさに、おばあちゃんの心を揺さぶってみた。
彼女、凄く感動して、涙ぐみ、ありがとうありがとうと言いながら、よたよた歩いて、医者に行った。
大成功^^。