Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

木枯らしに追われて

さて、腰痛になった。当たり前なんだけど。
 
天気予報で木枯らしが来るという知らせを聞いて、ぎょっとした。鶏と金魚の冬支度をしてやらなければならないのを、崖に張り付いていて、忘れていた。
 
金魚は、循環器のフィルターが泥まみれらしく、ほとんど水が出ない。冬になったら、もう冷たい水に触れない。いつも秋に、フィルターを洗って、覆いをかけて冬籠りをさせるのだけど、10月いっぱいは冬はこないと、たかをくくっていた。
 
鶏は冬の間、風の通り道をふさいで藁を入れて暖かくしなければならない。うちにいる鶏は、鶏としては爺婆で、世話をしてやらなければ、死んでしまう。これでも、世話するペットがいるから、私は冬を乗り切れるので、冬は、私の大変なんだ。
 
でも、初めは、やっぱり崖の階段に敷き詰める木の枝を、ゴミ集積場から集めてくることから始めた。ところが、自転車の鍵がない。週末、出かけたから、いつもと違う服装と、いつもと違うバッグと、いつもと違うウエストポーチを身につけた。自転車がここにあるのだから、どこかにおとしたはずがない。その「いつもと違う」衣類その他のどこかにあるはずだけど、そもそも、何を着て行ったか、忘れてしまったのだ。
 
家じゅうをひっくり返し、とうとう見つからないから、仕方がない、この際スペアを持って行こうと、スペアキーを探し、ゴミ集積所を3軒回って、枝と、畑の作物の屑を集めた。
 
木枯らしが来る木枯らしが来る。そう唱えて、作業を始めた。集めた木の枝は、また庭いっぱい。この量なら、いつもやっているから午前中にできる。そう思って、金魚の水替えを始めた。まだ、風はなく、木の枝集めの作業で、かなり体が汗ばんでいて、水を代えるのに苦はなかったが、やっぱり腰痛が始まった。あとで入ろうと思って、風呂に火をつけに家に入ってから、ふと、「着たこともない上着」のポケットに手を入れたら、なくなった鍵が出てきた。
 
金魚の次は鶏小屋。これもちょっと厄介だったが、慣れているので、これもクリア。
 
あとは、集めてきた「ごみ枝」をまだ作っていない階段の一部に敷き詰めて土をかける作業がある。長い木が欲しくて、また斜面の残りの部分から、まっすぐな木を選んで数本切り倒した。
 
実は、今日の「ごみ」はかなり厄介だった。木の枝を剪定したものでなく、畑の作物を抜いたものらしく、ごわごわと根っこも付いている。何だろうと思ったら、なすだった。残骸が残っていたので、それと知れたのだけど、なすの「木」って、ひんまがっていて、扱いにくい。しかし、なんでもいいから、刻んで土に混ぜて、数年で土になってもらおう。
 
なんだかすごくおなかがすいているのを感じ、家に入って、なんでもいいからご飯に鮭茶漬けをかけてお茶漬けをかきこんだ。それから、また庭へ。風がだんだん強くなっているのを感じる。
 
あまり何を扱っているかを確認もせず、どんどん杭を打ち、どんどん、階段を作った。杭は、18本残っていた。ところが、杭の一つにちょっと触れたら、ぐらぐらする。ひゃ!これ、打ったの私じゃないぞ^^。それを引っこ抜き、新しい杭を打つ。腰痛が始まっているのに気がついていたが、木枯らしがそこまでやってきている。だんだん強くなっていく風を意識しながら、敷き詰めた枝の上に飛び乗って、ぴょんぴょん、はねた。それは、枝を土になじませるため。
 
それからその上に、集めてきた土をかぶせて、またどんどんふんずけるのだけど、風はますます強くなり、とうとう、土は、袋3つを残して、作業終了宣言。
 
風呂に飛び込み、しばらくしてから上にあがって時計を見たら、2時だった。ふ~~、2時か。あわてて昨夜の残りのなべ物に、キムチを放り込んで、手っ取り早く食べるため、丸いお餅を2個放り込んだ。
 
今、腰痛。明日のゴミ当番は、資源ごみの日だから、ネットを用意する必要もなく、あまり、することがない。寒いけれど、晴れるという予報。腰痛が治っていたら、また土を持ってこよう。