チャボの話
「チャボの夫婦を飼っていた」
内戦の中米から帰国して、松戸に居を定めた時、社宅の庭が案外広かったので、つがいのチャボを飼った。子供の時に飼っていた懐かしいチャボが欲しかったが、探しに行った店には白司という、懐かしいチャボがいなかった。その代わり、白黒のチャボで、碁石チャボというのがいたので、つがいを買ってきた。
↓碁石チャボ
チャボはどんな種類でも、人懐こいのと、卵を抱いてすぐに雛をかえすので、ペットとしては楽しいのだ。特に夫婦仲がよく、雄鶏は雌鶏を死を賭してでも守る素晴らしい鶏だ。
いつまでも記憶に残っている子供の時の思い出がある。あれは白に黒の尾がある白つかさというチャボだった。襲ってきた猫からメスを守るため、雄鶏が血だらけになって猫に襲い掛かり、気が付いた私たちが飛んで行って助けるまで彼は戦った。それで雌鶏を守って戦った雄鶏が死んだその姿が印象的だった。その後一人になった雌鶏は、一人になるのを恐れてか、家の中に住み着いて、押し入れの中で卵を産んだ。
↓白つかさ
松戸の庭が広かったから、チャボはいつも庭に放し飼いにしていた。子供が小さくて、チャボコッコなんて言っていたので、それがそのまま名前になり、とくに名前をまともにつけなかった。「チャボコッコ」は広い庭中を歩いて、虫などをみつけると、まずメスを呼んで食べさせているのを見て、ダヴィ(主人の名)はいつもチャボコッコは紳士だ紳士だと言って感嘆していた。
これは、雌鶏と一緒に抱卵する紳士の雄鶏チャボ↑