「この世で出会った動物たちの物語4」11月23日
「マックとロケ」
その終の棲家として買った現在の家は、田園地帯で農家が多かった。だからあっちでもこっちでも鶏の声が聞こえた。ちょっとうれしくなって、農家の鶏たちの様子を見たくて散歩がてら覗いてみた。そこにいたのが真っ黒な鶏。飼い主に聞いたら「烏骨鶏」だという。飼ったことがないので、欲しくなって有精卵をもらってきた。チャボに抱かせようという魂胆だった。
チャボは雄鶏と一緒に卵を抱いてくれた。↑
チャボはうまく抱いてくれたけれど、孵ったのは1個だけで、しかも雄鶏だった。真っ黒け。
実は環境の変化のせいか、エノクが愛したチャボの雄鶏は引っ越し間もなく死んでしまった。それで、成長した烏骨鶏が自分を育てた老チャボに、近くにいる雌鶏だからと言ってやたらに興味を示してきた。
孤独のマック↑
エノクがそれを見て「道徳的に」憎み始めたので、私は松戸のペットショップに行って、烏骨鶏の雌を探したところ、1羽見つけて買ってきた。別のめんどりもいたんだけど、うまくいかなかったのかな。相手にされなかったのかもしれない。
プリマスロックです。プリリン、シマリン、ロッキーね^^。↑
もちろん孤独だった烏骨鶏は喜んだ。喜んだと言ったって、それがもう、見ていてどうしようもないほど、来たばかりのめんどりの周りをウロチョロした。
ところが新しい雌鶏は、ペットショップの大勢の鶏の中でさんざんな目にあったのか、丸くなっていて、他人(他鳥)を見ると立ち上がることもできなかった。
でも、うちの雄烏骨鶏はこの新しい雌鶏に対しては紳士だった。周りをぐるぐる回り、傷つけないようにとでも思っているのか、激しいアタックはせずに、優しい声を出して、誘導したり、低い止まり木に止まって呼んでみたり、数日間付きっ切りで新しい雌鶏の世話をした。
ある朝、私は動けなかった雌鶏が止まり木に止まって、雄鶏に寄り添っているのを見た。
ちょっと感動したね。で、私はこの新しい夫婦にマックとロケという名前を付けた。雄鶏がマック、雌鶏がロケね。合わせてマックロケ。のちに雌鶏が2羽になり、ロケの名前を分けて、ロロとケケと名付けた。
この夫婦はかなり家族を増やした。
抱卵するロケ↑
実はこんなに生んだけど、私たちが食べました。
マックとロケも一緒に抱卵
雌鶏が2羽になったので、ロケの名前を分けてロロとケケ↑
平和なマックの家族、ロロとケケ↑