Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

もっくんて、なに?

テレビが面白くないし、寒くて外に行く気にならないし、目がまだがちゃめなので、本も読めず、絵も描けない。
ぼんやり外を眺めていたら、やっぱり少し、外を走ってみようと思った。木曜日は、ダイエーが安いらしい。安くたって、不要なものを買う必要がないけれど、ちょっと見物してこようと思った。ほしいのはきゅうりだけ。生協でも、サティでも高すぎた。どうせ、ダイエーも高いだろうと思ったけれど、何か面白いものがあるかもしれない。

面白いものがあったとすれば、店内で、おかしな宣伝をしていたこと。

「12時から、もっくんが店内を歩き回ります」というもの。

もっくんて、何者か、知らない。何者でもいいけれど、「店内を歩き回ります」という宣伝がおかしかった。しかも握手をすれば、何か特典があるらしい。もっくんとやらが「歩きまわる」と、モノが売れるのかなあ…。でも、私が野次馬になるほどの見世物ではないと思い、もっくんに会わずに帰った。

結果として、何も面白いものはなかった。適当に98円の野菜ばかり買って、また、あたりを見ながら帰ってきた。この道のりは、何も花が見られなくて、一応持って行ったカメラを使う機会がなかった。
帰って来たとたんに電話が鳴った。

おや?たどたどしい日本語だった。あの静岡の、私のマドレの訃報の第一報を入れてくれたシスターらしい。日本語がたどたどしくても、すぐに彼女の感情がわかった。私の作ったはがきを喜んでくれたらしい。ああ、この人は、常識はずれな行動をするだけあって、人の心があるんだな、と思った。