Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

今日の出来事

聖書講座から命からがら帰ってきたら、電話が鳴った。1年半前の夏休みが終わるまで、私の英語塾にきていた最後の生徒の母親からだった。珍しいなあ、なんだろう、と思ったら、Y君、高校に入ったという連絡。小学4年から中2まで見ていた少年。

問題の多い子で、英語そのものよりもほとんど彼の家族関係の悩みの聞き役になっていた。父親が腰抜けで、母親が暴力的で、本人は盗癖のある弱い弱い男の子だった。保護する以外にどうしようもない、母親だって本当は弱いのだ。

いつか、二階から突き落とされてそのまま教室に来たけれど、足を怪我していて痛がって、寝ていた。私が母親を呼んでものすごく怒って、すぐに医者に連れていけと言ったら、すごすご連れて行ったらしい。あとでY君の報告を聞いたんだけど、足にひびが入っていて、お母さんがお医者さんに怒られたそうだ。しかも、彼が私を憧れるように見て言うには、あんな強い態度であのお母さんにものが言えるなんてすごい!お医者さんに怒られているお母さんを見て驚いた。あんなにびくびくした弱いお母さん、見たことなかったんだ、と。

あれからY君、強くなって、父親を母親の暴力から守ったんだ、と言っていたっけ。

要するに彼女、精神不安定だったんだ。

最後は、なんだか理由もわからない状態で、母親が強制的に教室をやめると宣言して連れて行った。いろんなことがあったから、その後のことを知らせてもらえるとは思っていなかった。

よく、まあ、知らせてくれたもんだ!

うれしかった。

実は、聖書講座の帰り、いつもの通り、サティの脇の駐輪場に置いた自転車に乗って、帰路についた。6時前だったが、もう暗くなっていて、例のジャケットをリバーシブルにしてオレンジ色の側を着て、反射襷を掛け、額にライトをつけ、暗い道を走っていた。ところがそろそろ家の近くに来たころ、左折した先の大通りに出た途端、大型トラックが直進してきた。私は道に沿って左折しているんだから、左を守っている。トラックは明らかに右を直進してきたのだ。

どっちが正しいなんて言っている場合じゃない。逃げようとして歩道に上がろうとしたら、そこは柵があって入れない。仕方ない、急きょ自転車を飛び降りて、柵の内側に飛び込んだ。自転車なんかつぶれても良い、そこは真っ暗で、明るいのは私の頭についたライトのみ。

でもとにかく命拾いした。それでトラックの行方を見ていたら、トラックは、目の前を左折して田んぼの中に入っていった。たぶん田んぼの所有者のトラックで、そこが自分の駐車場だったんだろう。

自転車は直前に置いてあったが、つぶされなかった。

そんなことのあとだったから、Y君の知らせ、うれしかったよ^^。でも、こういうときって、聖書講座の内容なんか、吹っ飛んじゃうね。