Ruriko's naisentaiken

エルサルバドル内戦体験記

私の生涯学習

猛暑に負けた夏が終わるような気温になった。

それで私は、やっと人心地ついて、ちょっと絵をかき始めた。それから、登録して送ってもらっているシリーズの「きょうのみ言葉」の中で、興味をそそる部分だけ目を通した。

それが飽きたら、次は、ちょっと前から始めた、英語の勉強を加えた。人を教えることから解放され、英語に接することがなくなってから、どんどんどんどん加速度的に英語を忘れて、もう、話ができないだろうと感じ始めてから、数年たった。私が英語を忘れたのは、実はむしろ、白人憎悪にあるのかもしれないことを薄々感じていたのだけど、やっぱり、一度得た知識をどぶに捨てるのは、惜しいと近年思っていた。

そんなことをやりながら、周りに目をやると、仏教の本だとか、マヤの預言の本だとか、まるで、お互いに脈絡のない本が積んどく状態なのが目についたので、どうせ暇なんだから、時間を決めて、これらの勉強もしようと気がついた。

一日のスケジュールを列挙して見た。

朝の散歩。
テレビ体操と朝食。
鶏の世話と、庭掃除。
風呂に入って、油絵。
英語、スペイン語のお勉強。
それから今日のみ言葉と仏教書とマヤ文明の研究。

そう決めたら、なんだか、このところのイライラが静まっていくのを感じた。人間の神経病と言うのは、たぶん、他人が決めた過度なスケジュールに身をはめ込み過ぎることと、その苦しさから逃れるために、計画の一切を否定することが原因なのではないのかな、と思った。

学校の生徒も、会社人間も、他人が決めた時間の中で、自分を失って行動させられることから拒絶反応を起こし、病んでしまう。それに逆らって自分を時間から解放する時は、過度に歯車の回転から身を外そうとする。それでしまいに引きこもりになり、インターネットの虜になる。

自分は社会からも家族からも解放されて、時間を持て余してうめいていた。で、いろいろと大学のシニア講習を調べているのだけど、なかなか出たい教科が見つからない。だったら、自分で自家製の勉強サイクルの中に入れさえすればいいのだ。

涼しくなって、私は少し生き返り、勉強人間に戻ることに決めた。

これを私の生涯学習と言う。